人にもやさしい、ペットファーストな別荘&カフェ
軽井沢と草津を結ぶ嬬恋エリア。心地よい静けさと野鳥のさえずりが心地よく聞こえる環境で、ペットと泊まれる1棟貸しの宿「セルム北軽井沢」とドッグカフェ「セルムカフェ」を展開するのが、住宅リフォームなどを手がける会社・プランドゥプラスの太田正美さんです。人とペットが共存共栄していく環境を目指す(社)ペットライフデザイン協会の代表も務め、協会が推進する「愛玩動物飼養管理士」「ペット共生住宅管理士」の資格も持ち、ペットファーストな宿泊&カフェを営んでいます。
人とペットがより良く共生するために
1974年に施行された「動物の保護及び管理に関する法律」(現行「動物の愛護及び管理に関する法律」の趣旨に基づき、1978年に設立された(社)ペットライフデザイン協会。太田さんは現在、この協会の代表を務めています。この協会で推進している資格の1つ「愛玩動物飼養管理士」は、ペットの習性や適正な飼養管理、から法律など幅広い知識を習得できます。受験する人の多くはペットショップや動物病院、ペットシッターといったペットを扱う仕事をしている人で、これまでに約23万人が取得。
「ペット共生住宅管理士」は「愛玩動物飼養管理士」の有資格者が受験できる検定で、ペットと共生する住宅やマンションづくりに必要な知識まで専門的に学べます。ほかにもペットオーナーが犬、猫の正しい知識を学べる「ペットオーナー検定」は、オンライン形式で気軽に学べると注目されています。
「ひと昔前は賃貸物件の多くはペット不可物件で、犬なら外で飼うのが一般的でした。次第に室内飼いをする人が増えていき、2003年にはその数が逆転。今ではペットと暮らすことが当たり前になっていますが、一方でペットを取り巻く業界にいる人たちは本当にペットのことを知っているのかという疑問がありました。たとえばペット共生住宅と謳われ始めたとき、ハウスメーカーが床材で売り出していたのは、表面がザラザラしたタイルでした。滑りにくいという理由で選ばれたようですが、実際に走り回ったら肉球が擦り切れたり、粗相をしたら目地に染み込んでしまう可能性が高い。そもそもペット用に開発されたものではなく、もともとある資材をペット用に活用できるのではないかという視点だけで選ばれているものがほとんどでした」
ペットファーストで考える、安心・安全な空間づくり
ペットが安心して過ごせる家や空間とはどんなものかと考えたとき、“強さ”と“優しさ”の2種類で表せると太田さんは言います。“強い家・空間”はペットが走り回っても、噛んだとしても傷がつきにくい固い素材を選んでいるもの。ペットOKの宿泊施設の多くは客室がボロボロになっては困るので“強さ”にこだわり、建物の状態を守ることを優先しています。
一方で“優しい家・空間”はペットファーストで考えられていて、たとえば床材なら滑りにくいけれどもクッション性を備えていたり、人工芝なら静電気除去繊維の入ったものを選んで摩擦によるやけどや損傷を抑える、カーペットならループ状の糸でつくられているものではなく直毛タイプを選んで爪の引っかかりを防止するなど多岐にわたります。
「なかでも一番大切なのは脱走防止ゲートです。自宅はもちろん宿泊施設でも入口のドアなどに備え付けられているかが重要です。見知らぬ土地で脱走してしまったら捕まえることが困難です。ペットファーストで整えられた空間は、双方にとって安心で安全、優しいなものになるんです」
実際に「セルム北軽井沢」で提供しているドッグラン付きの貸別荘でも3棟すべてに脱走防止ゲートを設置。A棟はプランドゥプラスが考えるペット共生住宅を空間全体で表現。インテリアにもこだわり、宿泊者から問い合わせがあれば商品の品番なども教えていると言います。B棟はカジュアルな雰囲気で、C棟はドッグランが約200坪と最も広く、大型犬や多頭飼いの人に喜ばれています。
「セルム北軽井沢がある嬬恋エリアは、冬の時期は積雪量もあり、気温が低いためなかなか溶けません。冬期の来訪は少し大変ですが、リピーターの中には雪の中で思い切り犬を遊ばせたいと来てくださる方もいるんですよ。自然に囲まれた環境なので、鳴くのを気にすることなく、のびのびと過ごしていただけるはずです」
ためしてみたい。ペット用メニュー「漢方ごはん」
ワンちゃん連れのお客さまを大切にするドッグカフェも同様にペットファーストをモットーに、犬種やサイズを問わず一緒に店内で飲食が楽しめます。通常メニューは喫茶店のようなスタイルでナポリタンやキーマカレーなどを提供。一方でペット用メニューも充実。なかでも特徴的なのが「五行説に基づいた漢方ごはん」です。古代中国からの自然哲学の思想・五行思想をベースに開発されたメニューで、ペットの状態に合わせて鶏肉、羊肉、牛肉、馬肉、鹿肉と5つのベースのごはんを提供しています。
「ペットライフデザイン協会でつながりのある企業などと連携して、安心・安全な食材を用いたメニューを用意しています。漢方ごはんでは食材の安全性はもちろんですが、チェックシートを通じてペットをあらためて気にかける時間を持っていただけたらという思いを込めています」
太田さん自身も大のワンちゃん好きで一緒に暮らしているからこそできる、ペットも飼い主も一緒に寛げる空間づくり。訪れたらきっと、自宅にも活用できるアイデアが見つかるはずです。
住所 /
群馬県吾妻郡嬬恋村 ※宿泊棟の詳しい情報は予約確定時にお知らせします
電話 / 080-7165-1515
==========
【ドッグカフェ セルムカフェ】
住所 / 群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原1533-2
電話 / 0279-82-5266
営業 / 11:00〜(季節により変動)
休 / 不定休(Instagramで要確認)
P / 7台